ご挨拶

2019年6月、IAPPのLeadership Retreatでアメリカを訪れました。ボストン経由で移動したので、市内を一日歩いてみました。

日本の街と比べて格段に緑が多い街並みや整備された史跡から感じたことは、アメリカという国が”public”(公共)を積極的に育んでいるのではないか、ということです。

アメリカ最古の図書館であるボストン公共図書館は美しく整備され、建築物としても高い文化的価値があるものでした。ボストン・コモンは市民が憩い会話を楽しむ場を提供していました。Freedom trailにはアメリカ合衆国の歴史を伝える工夫が凝らされていますし、ボストン茶会事件記念博物館は俳優が観客をガイドし歴史をともに学ぶという趣向を凝らしています。

こういった体験から、ボストンという街が共同体としての街を意図をもって育もうとしていると感じたのです。

“public”(公共)の精神とは社会を形成する上で価値ある精神です。

共同体の中に生まれると周りに人がいることが当たり前に感じますが、私たちはより幸福な暮らしを求めて共同体を形成しています。”public”(公共)の精神とは、共同体全体の幸福を追求する精神であり、活動です。アメリカでは富豪が多額の資産を公共の建造物や公共活動のために寄付することが多く行なわれていますが、”public”(公共)は市民が創るものであり、そのために貢献することが名誉なことだと考えられているからです。

なぜこのようなことを書いているのかというと、”public”(公共)という概念が当社の取り扱っているデータ・プライバシーと密接に関係しているからです。

データ・プライバシーは現在、専門家の間で倫理(ethics)の問題として議論されています。個人データ処理が社会(“public”)にとって害をなすものではないかが重要なポイントとなっているのです。

コンプライアンス上は問題なくても社会的に許されない個人データ処理が存在します。

遺伝データを活用して最良のパートナーをマッチングするサービスがよい例です。この処理はコンプライアンス上、リスク・アセスメントをし、適切な同意とセキュリティ対策をとれば問題ありません。しかし、サービスそのものは是非をめぐって社会的議論を呼ぶことでしょう。

この例が示すように、データ・プライバシーはどのような社会(“public”)を形成したいのか、という問いかけに変わりつつあるのです。

P・F・ドラッカーは著書『マネジメント』で、現代の組織の指針は「知りて悪をなすな」だと書いています。

「悪」とは「法律」を守らないことではなく、「公共の利益(public interest)と矛盾する行動をすること」です。公共の利益とは共同体に所属する私たち一人ひとりが認め、促進するものです。共同体を構成する人が議論を重ねてはじめて定まります。法律や規則が決め、市民が従うというものではありません。

このような時代的趨勢の中、組織に求められるのはコンプライアンス(法令順守)ではなく、アカウンタビリティ(説明責任)となりました。「法律上は問題がない」という態度は、社会の信頼(trust)を失いビジネスの機会を失います。

組織は、なぜそのような個人データ処理をおこなったのか?なぜ問題ないと考えているのか?どのようにして個人のプライバシー保護を実現しているのか?といったことを、社会が納得ができる形で説明しなければなりません。

当社では、このアカウンタビリティを組織が備える支援をしています。

代表取締役社長 寺川 貴也

社名の由来

テクニカ・ゼンという社名は、Technologyの世界で「良い」仕事をする会社でありたい、という願いをこめて付けられました。

会社とは人が集まって作るひとつの人格です。テクニカ・ゼンという法人に人格があるのであれば、法人の存在にとって善い仕事、全体と部分との間でバランスが取れた仕事、深い省察の上で確かな選択を行なう存在でありたいと考えています。

善い仕事
よい仕事とは、私たちが存在している理由と現在提供している仕事との間に矛盾が無いことです

全体と部分との間でバランスが取れた仕事
人としての成熟が高いバランス感覚にあるように、法人としての成熟も部分と全体との間の均衡にあります

深い省察の上で確かな選択を行なう
結果がどうであれそこに力を注ぐことが正しいことだと信じられるとき、確かな選択が行なえます

Vision

“Be part of something good!!”

私たちは、人が自由に尊厳をもって暮らすことができる世界を創造します。

行動規範

Integrity: 誠実さ
私たちは業績や実績ではなく「誠実」な人を評価します。私たちの会社で高いポジションにつくことができる人は、信頼でき、誠実で、高い理想と楽観性を備えた人です。

Fairness: 公正さ
私たちは成熟した組織として、ビジネス、会社運営、人事評価、社会に対して「公正」であることに価値をおきます。

Ethics: 倫理観
私たちは倫理観を大切にします。私たちはよりよい社会を形成することに力を注ぎます。売り上げの一部は、Social Good を促進するために使います。

私たちの仕事に対する考え方

  • Be You! どうか、あなたを仕事で表現してください。仕事とは、社員の人生を表現する方法の一つです
  • 真剣に働き、仕事を楽しむことが大切です
  • 仕事はチームで取り組みます。チームとは、相互に奉仕しあうことです
  • 思いやりやいたわりのある仕事がよい仕事です
  • 働く場所や働く時間は重要ではありません。しかし、 Private Life とのバランスをとってください

会社情報

会社名 テクニカ・ゼン株式会社
代表取締役社長 寺川 貴也
設立 2015年(平成27年)11月
資本金 300万円
所在地 〒659-0013
兵庫県芦屋市岩園町23番45号205
電話番号 0797-52-9139
Fax 0797-57-4509